「十和田湖・夏の日の悲劇」(中町信著)を読んだ

旅行の帰りの新幹線で一気読み。

一年前に田沢湖を舞台にした本を読んだがそのシリーズ(もちろん復刻)。新幹線は盛岡まで、国電という言い方をしているので、昭和60年前後が舞台なのでしょう。スマホやパソコンが出てこないので、小説ですが、時の流れがゆっくりに感じます。

 

そして田沢湖に続き人がどんどん死んでいく。(殺人だけでなく、病気、自殺含めて)最後犯人しか生き残ってないじゃん、というツッコミはさておき、プロローグの謎が一つのポイントなのかな。これに登場人物も読者も引きずられてミスリードさせる、というのが作者のテクニックなのかと思います。疑う人がどんどん変わっていき(死んじゃうから)、最後にひっくり返るというこのパターンはわかっていてもなかなか面白いものです。

 

この作者、20年前に読んだ模倣の殺意(だったかな)は、もっと手が込んでて面白かったので、そちらの方がおすすめです。(舞台は昭和30年代)