松本清張初期短編集を読んだ

タイトルは「なぜ「星図」が開いていたか」です。

張り込みとか共犯者とか読んだことがありそうなものもあったが、大半は読んでいないようなので購入。やっぱ清張と言えばこれだ、という作品だらけで大満足して一気に読んでしまいました。

 

必ず最後に悪事がバレて破滅する(示唆して終わる)、というパターンが多いのだが、そこに至るまでのストーリーが面白い。人の心の動きを言葉で伝えたり、逆に察するようにしたり(そこにもトリックはあるのだが)とそんなんで引き込まれるようです。昭和30年代なので、電話交換手がいたり、電報で応援を頼んだりと、今ではありえない環境でありながら、人の心情というものは大きく変わらないのだな、と思った。

 

最初の「顔」という作品は、映画俳優になったが故に、過去の殺人犯であることがいつバレるか、という恐怖からのひっくり返し、さらに最後のどんでん返し、という楽しい展開でした。いもぼうを食べた時に会った人と同一人物であることには気がついたということなんだよな、きっと。