島本理生著。タイトルが長いし不思議。
なかなか難解で、ストーリーにはなかなか入って行けませんでした。それでもすっと読み終われるのは作者の技術か。
主人公の春の視点で物語は進んで(戻って)いく。修士論文を銀河鉄道の夜にするような女子。社会人の彼氏との関係に悩み、かつては父親が失踪するという、普通ではない環境で育ったためか、心が閉じてしまっている。見た目はスタイルも顔も良さそうな描写。その面では恵まれていそうなのと、中身とのギャップがありそう。いや、表面的にはなさそうだな。そんな複雑な主役になかなか理解が追いつかなかったのでしょう。
宮沢賢治の銀河鉄道の夜の話も、自分がちゃんと読めてないせいか繋がらなくて、それも理解できなかった理由のような気もします。
とはいえ彼氏の行動も理解不能で、だからこそある意味あっているカップルなのかもしれない。お互いに話すべきことをしまっちゃって。
最後はオープンになって、これから幸せになるのか、そうはならないような2人でした。
父親の失踪も、変なおばさんもあまりに異常で、ちょっとやりすぎかな。